- HOME
- 頭痛
頭痛の種類
他の病気と関係なく起こる、いわゆる慢性頭痛には、「緊張型頭痛」「片頭痛(偏頭痛)」「群発頭痛」があります。
3つの慢性頭痛について
緊張性頭痛
- 症状・原因
-
日本人に多いとされる緊張型頭痛は、女性に多いです。一般的に、両側からじわっと締め付けられるような重い痛みです。
緊張型頭痛の起こる原因は、例えばコンピューター作業をしている人のように、長時間不自然な姿勢を続けたり、悪い噛み合わせを続けたりというような身体的ストレスがかかった場合、また仕事関係のトラブルや対人関係、不安などの精神的ストレスによって、頭の筋肉が緊張(こり)して起こると考えられています。
頭の筋肉と肩の筋肉は連続しているため、頭痛とともに肩こりを伴うこともあります。
- 予防と治療
-
- 前かがみやうつむきかげんの姿勢は頚椎に負担がかかり、頭痛を起こしやすくします。長時間コンピューター作業をしている方は、なるべく同じ姿勢を続けないように心がけ、仕事の合間に背伸びをしたり、腕を回したり、軽いストレッチ運動をして筋肉の緊張をほぐすようにしましょう。
- 眼鏡や枕が合わないことによって、知らず知らずのうちに身体にストレスがかかり、頭痛が起こることがあります。日常身に付けるもの、使用するものはなるべく自分に合ったものを使いましょう。
- 気分転換にスポーツをするなど、ストレスを溜めないようにすることが大事です。
- また、血管の緊張を和らげるため、蒸しタオルなどで首筋などを緩めるのも作用があります。
片頭痛
- 症状・原因
-
片頭痛は、頭の片側に起こることが多いです。ズキズキと脈打つ激しい痛みが比較的急に起こり、音や光に敏感になり、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。月に1~2回、多い時で週に1回程度繰り返して起こります。頭痛は4~72時間くらい持続して、自然に治まります。
女性に多く、家族に頭痛持ちの人がいると起こりやすくなります。緊張型頭痛とは反対に、ストレスなどから解消されてホッと気が緩んで筋肉の緊張がとけた時に起こります。
片頭痛の前兆として、視野が欠けたり、光がチカチカするような現象が現れることがあります。
- 予防と治療
-
- 片頭痛は、食事や睡眠をきちんと摂らなかったり、睡眠の摂りすぎなどによって起こりやすくなります。チーズやチョコレート、ワインなどは片頭痛を起こしやすくすると言われています。
- また、緊張型頭痛とは反対に、こめかみや目の辺りの血管を冷やすと痛みが和らぎます。片頭痛が起こったら、患部を冷やして光の入らない静かな暗い部屋で安静にしていましょう。
- 片頭痛治療薬としては、頭痛の前ぶれが起こった時に服用するエルゴタミン製剤、発作が起こってしまってからでも作用を発揮するトリプタン製剤などがあります。
どの薬剤が良いのか、お気軽にご相談ください。
群発頭痛
- 症状・原因
-
年に1度ほど1カ月くらいの間、一定の時刻になると1~2時間毎日のように片目がえぐられるような激しい痛みが起こります。20~30代の男性に多く見られ、お酒を飲むことによって起こりやすくなります。また、ニトログロセリン(狭心症の治療薬)などの血管を拡張する薬も群発頭痛を起こすことがありますので、医師に相談されることをお勧めします。
特に睡眠中に起こりやすく、痛みのある側の目が充血したり、涙が出たり、鼻水が出たり、鼻づまりが起こることがあります。
- 予防と治療
-
- 群発頭痛の治療には、酸素の吸入が用いられます。頭痛が起こりそうになったら深呼吸をすることをおすすめします。
- アルコールは頭痛が起こる原因となりますので、頭痛が起こっている時期は禁酒することが肝心です。
- 群発頭痛に使われる薬には、予防的にエルゴタミン製剤など発作の時にはトリプタン系の注射薬が使われます。
頭痛の原因
頭痛は、頭の中が痛くなるため、あたかも脳に原因があるような気がしてしまいます。しかし、主に頭の血管と肩や首、後頭部の筋肉の問題です。群発頭痛などは頭の血管の拡張が、緊張型頭痛は主に肩や首、後頭部の筋肉や神経の緊張が原因と考えられています。
片頭痛のメカニズムにはさまざまな説があり、まだよく分かっていません。しかし、頭の血管の周りには三叉神経という神経が走っており、これが刺激されるといろいろな物質が出てきて血管を拡げ、頭痛の痛みを引き起こしているというのが大方の考え方です。
血管の拡張を防ぐ働きをするものにセロトニンという物質があります。片頭痛治療薬のエルゴタミン製剤やトリプタン系の薬は、このセロトニンと同じ作用を持っているので、片頭痛の痛みを抑える作用があります。
危険な頭痛の特徴
- 今までに経験したことの無いほど激しい頭痛
- 突然に起こった頭痛(突発完成型頭痛)
- 早朝頭痛ないし朝方に起こる頭痛(目覚まし型頭痛)
- 強烈な頭痛
- 長期間続く頭痛
- 日ごとにだんだんひどくなる頭痛
- 麻痺・しびれを伴う頭痛
- 意識が冒されたり、訳の分からないことを言う頭痛
- 言語がしゃべりにくい、呂律が回らない頭痛
- ボケを伴う頭痛
- 視力が弱くなったり、ものが二重に見える頭痛
- めまいや嘔吐を伴う頭痛
- 息張ったり、頭を振るとひどくなる頭痛
- 高熱を伴う頭痛
(間中 信也さん著:「頭痛はこわい」より引用)
セルフ頭痛チェック
過去3カ月間にあった頭痛について当てはまる項目を選んでください。
■ 歩行や階段の昇降など日常的な動作によって頭痛がひどくなることや、あるいは動くよりじっとしている方が楽だったことはどれくらいありましたか?
- (1)なかった
- (2)まれ
- (3)ときどき
- (4)半分以上
■ 頭痛に伴って吐き気がしたり、または胃がムカムカすることがどれくらいありましたか?
- (1)なかった
- (2)まれ
- (3)ときどき
- (4)半分以上
■ 頭痛に伴ってふだんは気にならない程度の光がまぶしく感じることがどれくらいありましたか?
- (1)なかった
- (2)まれ
- (3)ときどき
- (4)半分以上
■ 頭痛に伴って臭いが嫌だと感じることがどれくらいありましたか?
- (1)なかった
- (2)まれ
- (3)ときどき
- (4)半分以上
4項目のうち3番もしくは4番が2項目以上該当する場合は、片頭痛の可能性が高いです。
この結果はあくまでも目安です。
詳しくはお気軽に当クリニックへご相談ください。